2012年11月号「血圧と自覚症状」
2012年11月24日
質問;血圧が上がると、なにか自覚症状がでますか?例えば「頭痛」「めまい」「肩こり」とか。
答え;基本的にはでません。
質問;しかし「頭痛」「めまい」「肩こり」がひどいとき、血圧を測ると血圧がものすごく高くなっていて心配です。
答え;それは原因と結果が逆です。血圧が上がったから症状がでたのではなく、症状が出たため心配になりその結果血圧が上がるのです。
質問;自律神経ということですか?
答え;そうです。人は心配や不安になったり、喧嘩したり、怒ったり、これから土俵に上がるとき、ハンマ―を思い切り投げようとするとき自律神経を興奮させ(交感神経を興奮させ)その結果として血圧はあがります。血圧が上がるために怒ったり、不安になったりすることはないですよね。
質問;そういうときは血圧を下げる薬を使いますか?
答え;血圧のくすりよりも、まずは自分の気持ちの調節です。落ち着けば下がりますからご安心ください。
稀に血圧の上昇が脳の浮腫を引き起こし重度の頭痛を引き起こす高血圧緊急症という病態があります。めったにありません。
血圧手帳のグラフには血圧の正常値130/85?のところに太い線が引いてあります。患者さんの中には、この線をはみ出すことを異常に気にされる方がおります。この線をはみ出すと危ない、脳卒中になると。日頃活動的な方、心配性の方は上がりやすい傾向にあります。しかしお風呂に入ってゆったりした気持ちになったとき血圧が下がっていればまず安心です。そうそう脳卒中にはなりません。