認知症記憶すりこみ療法
2019年12月29日
質問;記憶刷り込み療法とはなんですか?
答え;認知症の方に、ある特定の記憶に働きかけ続けることにより、結果笑顔が出て、副次的に自分の存在も記憶の一部になってしまう療法です。私が名付けました。
質問;具体的にはどうするのですか?
答え;その方の残っている記憶で一番印象深いところ、一番楽しかった思い出の時の話を延々、毎回繰り返して話していきます。
質問;そうするとどうなるのですか?
答え;例えば、戦前での思い出が印象的だった○○さん、戦争前の楽しい思い出の話ばかり重ねていくといつの間にか「あなたとは戦前からの付き合いよね」と笑顔になって話してくれます。
質問;認知症の方に対する脳トレに意味はありますか?
答え;私見ですが意味、効果はないと思います。計算や漢字の読みクイズの知識がたとえ上がってもその方の幸せにはつながりません。一つでもいい思い出、印象深い記憶に対する共感があればその方の笑顔につながります。おためしあれ。
ある料亭の女将の物語。認知症を患い、なにかいつもイライラしてほぼ会話ができないとされていた。当初は「ご馳走様、美味しかった」ですり込もうとしたが今一つ、ある日の会話で、大将を引き継いだ息子に対して「血の涙を流して息子を勘当し、のれんを下した」話を引き出した。それから「女将はのれんを守ったのだよ」と自己肯定共感発言の繰り返し、その後「こんにちは」の笑顔を女将の方から・・・今も会うと頂けるようになった。