拘束についての考察

2019年03月31日

質問;「身体拘束」とはなんですか?

答え;患者の身体を拘束し「行動を制限」することです。

 

質問;施設に家族が入所しています。オートロックキーがあり暗証番号を押さないと玄関が開きません。

答え;施設の中から自由に外出できないので「拘束」です。

 

質問;車椅子から立ち上がろうとすると「ダメダメ」と座らされます。

答え;車椅子から自分の意思で立てないので「拘束」です。

 

質問;つなぎ服を着させられています。

答え;おむつに自分で触れないという意味で拘束です。しかし身体の自由、精神の自由は保たれます。

 

質問;夜騒いだり、暴力をふるうので、薬で眠らせています。

答え;身体の活動を鈍らせるばかりでなく精神活動も鈍らせる、つまり人間性を奪うと言う意味で最高レベルの「拘束」です。

 

◎安全第一の管理と拘束は表裏一体です!慎重に!!

「ひも」「ミトン型の手袋」「Y字型拘束帯」「腰ベルト」等のさまざまな用具はもちろんのこと、「向精神薬」を使っての行動抑制、柵の設置や居室隔離など、患者の行動を制限するすべてのことが身体拘束とされています。認知症患者の徘徊を防ぐため、あるいは転倒防止のためにつける離床センサー(マット)も、身体拘束の1つであると考えられています。(参考文献)厚生労働省「身体拘束ゼロ作戦推進会議」:身体拘束ゼロへの手引き―高齢者ケアに関わるすべての人に

 

施設介護でよく見られる光景。施設のルールに従えない人は危険人物と認定され、抗精神薬を現場から要求される。元気な認知症の人たちはこの薬を飲まされ精神活動が低下、その挙句に誤嚥性肺炎、転倒骨折、を併発し廃人になっていく光景。施設の外観は奇麗だが中身は昔の老人病院と同じ光景。歴史は繰り返す。私は悲しい。

 

 

血圧ってなに?

2019年03月03日

質問;そもそも血圧とは何ですか?

答え; 血圧 ≒ 心臓の力×自律神経の影響×血管の硬さ です。

 

質問;血圧の値が一定の方がいいですか?

答え;学者先生はその方が良いと言います。しかし実際の生活の場では喜怒哀楽(怒ったり泣いたり喧嘩したり、ハラハラしたりすると血圧は上がる)があり、活動があり(運動すると血圧は上がる。お相撲さん同士がぶつかる瞬間、血圧は200を越える)、つまり自律神経の影響がある限り一定にさせるのは困難です。寝たきりにさせて感情を抹殺すれば一定になります。

 

質問;よく血圧は130を超えると危ないと言われますが?

答え;瞬間的に130を超えると命が危ない、と誤解する表現です。しかし実際は一定の期間で長期的に血圧が高い場合には脳卒中等の危険が少しだけ上がりますよ、というのが本当です。ですから介護施設などで瞬間血圧が高いから「運動したらダメ」だとか「お風呂に入ってはダメ」だとかいう話はナンセンスなのです。

血圧は道路標識の速度制限とは違います。ましてや会社の組織を守るための数値でもないのです

院長のひとり言

血圧はいつから物事を始めるにあたっての中止の基準になってしまったのか。風呂に入る、運動をする、タクシー業務に従事する、などなど。入浴すれば血圧は下がる。試合前気合を入れないと、ほっぺた叩いて血圧上げて行かないと、試合には勝てない。忙しさのあまり、腹すかして血圧の薬飲んだら血圧が下がり過ぎて失神することだってあるのに薬で無理やり下げながら車の運転するのは逆に危ない