良い老人ホームとは
2022年10月15日
質問;良い老人ホームとは?
答え;価値観の違いがあり一概には語れませんが、入居されている方たちの目が生き生きしていることは大切ですね。目の生きを持続させるための施設としての努力が重要です。入居者の自主性が損なわれると目は死にます。
質問;価値観の違いについて? もう少し。
答え;例えば入居者の「安全」を突き詰めると、機械による監視活動が強くなります。監視が強くなると、制止行為が増えます。入居者に不快な感情をあたえることなく危険を回避させる職員の能力が重要です。「モニターついているから安心です」だけの説明で終わる施設ではダメですね。
質問;認知症の方が多いと思いますが、どういう対処が重要ですか?
答え;その方の認知能力の程度に応じた対応ができるかが重要です。認知力が低下している人に一般社会常識を求めてはいけません。
質問;一般社会常識って?
答え;他人の部屋に入ってはダメ、夜寝ないとダメ、食事は三食たべないとダメ、他人と喧嘩してはダメ、歩こうとして転んだらダメ、夜の徘徊はダメ、大声を出したらダメ、トイレで用を足さないとダメ、などなどです。ダメと言うのは簡単ですがダメダメ言われる本人の気持ちはどうでしょうか? これらの行為をどれだけ許容できるかが良いホームの指標となります。
以前に老人ホームに似た施設は刑務所であると書いて、ある家族から批判を浴びましたが、今現在、まさにその通りになったと実感しています。面会に行くと職員の監視付き、時間制限で厚いプラスチック越しでの面会、入居者同志の会話の禁止、自由移動の制限、これを刑務所とは違うと言われても・・同じに見えますね。高齢者は終の棲家としてホームに入るわけで、そこが刑務所にそっくりなんて、残酷です。せめて自分の所はそうしたくないと、改めて思う次第です。