医原病とはなにか

2018年10月17日

質問;そもそも「医原病」とはなんですか?

答え;医療そのものが健康を害する、特に専門家が医療をコントロールすることによって増悪する病を言います。1970年代に  イヴァン・イリッチという哲学者により提唱されました。

 

質問;具体的にはどういうことですか?

答え;一番わかりやすいのは薬の副作用です。良かれと思って出された薬の害です。抗生物質の出し過ぎによる害、抗がん剤による副作用死、予防接種の副作用による害・・・などなど。臨床的医原病といいます。

 

質問;まだあるのですか?

答え;はい。社会的医原病と言われるものです。例えば医療費を掛ければ寿命が延びる?のではなく、医療費が安い県の寿命が一番長いというデータから言えますね。皮肉なことに医者にかからない方が長生きするということです。健康に関するサービスがもたらす害も指摘しています。

 

質問;ほかには?

答え;はい。文化的医原病と言います。簡単に言うと「死生観」の変化。15、6世紀の西洋では「死」は自然現象であり、長生きは美徳ではなかったようです。モンテーニュは「極端な老いのもたらす死・・を期待することは無駄な思い上がり。」長生きしようとする人を思い上がりの激しい人と嘲ったそうです。今、長生きは美徳??ですよね。

 

自分が出した薬で病気が治ったのか、たまたま治りかけに薬をだしたからそう見えたのか、いつも考えています。医療が骨壺商法(不健康だと脅して壺を買わせる)にならないようにいつも気を使っています。今、世間を見渡すと骨壺療法だらけだと思ってしまうのは私だけですか?自分に嘘をつかずに行こうかと思います。せめて害にならない医療を届けます。

 

 

点滴の利点、欠点

2018年04月13日

質問;救急車で運ばれるとすぐに点滴をするのはなぜですか?

答え;生命維持に直結する循環動態(血管を流れる血液量やその流れる力を調節する)を安定、維持させるためです。また薬剤などをすぐに身体に入れるための場所を確保する意味もあります。

例えば出血多量で運ばれたとき、すぐには輸血ができないので輸血までの時間に塩水が主の点滴をして血圧などを維持させる、等々。

 

質問;食べられなくなると点滴をするのはなぜですか?

答え;食べられないと脱水状態になるので脱水を改善させるために点滴をします。栄養を本格的に点滴で補う場合には太い血管から特別な点滴が必要です。(中心静脈栄養と言う)

 

質問;点滴の欠点はなんですか?

答え;浮腫みや痰の量が増える事です。栄養状態が低下している時、特に老人や癌の終末期においては、身体に水分を回す力が極端に低下するので過度に点滴をすると、肺やお腹、皮膚などに水分が溜まり、また余計な水分が痰としてあがってくるので身体を余計に痛め苦しめます。痰の吸引は辛いです。

 

質問;終末期においても病院では必ずしますよね?

答え;生命維持、延命のためには必要との考えからです。しかし負担のことを考えると終末期にはしない方が良いと思います。私はその立場です。浮腫みの辛さは皆さまの想像よりはるかに辛いです。

 

衰弱がすすんだ方に「点滴をしない」と言うと「なんにもしてくれないのか」との批判を受ける事があります。点滴の利点、欠点を考えると終末期に点滴をする欠点の方が大きいのは明らかです。眠い時に針を刺され、管のことを常に意識するストレス、浮腫みや痰の多さに辛さが倍増します。辛くて苦しいけれど点滴をして延命するか、点滴をせずに穏やかに過ごすか、答えは明らかかな、と思います。

 

 

いわゆる老人ホームというところは

2018年03月19日

入居者質問;食事は普段朝夕の2食なのですが、いいですか?

答え;駄目です。健康管理のもと3食を時間通りに食べないといけません。朝寝坊すると朝食が食べられないので起こしに行きますよ。⇒ 無理に食べると誤嚥性肺炎の原因になります

 

入居者質問;歩きたいときに歩きたいのですが。

答え;あなたが「正常」と判定されていれば大丈夫です。しかし「認知症」とか「歩行が弱い」と判定された場合には、床にセンサーマットを挽き、不用意に歩くと職員を飛んで行かせて「駄目です」と言い、ベッドか椅子かに連れ戻します。外出も職員の同行でお願いします。入浴は強制です。汚いので。

⇒ほぼ監禁状態になります。認知症の人にとってはつらいです。いやいや脱がされてお湯をかけられます。怒るでしょ。

 

入居者質問;夜中に突然人に入ってこられると怖いのですが・・。

答え;安全管理のために夜中に部屋を開けさせてもらいます。そして万が一おもらしなどしていたら強制的に取り換えさせていただきます。⇒ 普段以上に不穏状態になります。拒否反応が増します。

 

入居者質問;わたし寝言が多いのですが。白昼夢も見るのです。夢見ながら歩いてしまう癖があるのですが。

答え;大声であると判定された場合や、間違って他人の部屋に入ってしまうことが見受けられた場合には他者に迷惑ですので精神安定剤の服用をしていただきます。⇒薬によって廃人になります。

 

老人ホームを見ていて感じることがあります。入居者が施設の規律を乱すと「嫌な入居者」というハンコが押されます。大声だしたり徘徊したりすると精神安定剤を出されます。自分の時間で動くのではなく、職員の時間に合わせられます。車いすに乗っているとそれこそ超特急で移動させられます。自分が望んでいなくても家族や職員が「心配だから病院へ」と言われれば連れていかれます。せめて自分のホームである「我が家中国分」ではそういうホームにしたくないですね。

 

上田医院流 インフルエンザ 対策

2018年02月19日

質問;学校や会社に報告のためにインフルエンザかどうかの診断が必要です。絶対に鼻に入れる簡易診断キットが必要ですか?

答え;現在の簡易診断キットの正確性は90%程度で限界があります。最終的には状況判断を含めて医師が診断しますのでキットでの診断なしでもインフルエンザの診断は可能です。

 

質問;医院に行くとインフルエンザがうつりそうで心配です。

意味;その通りです。診断のために医院に来ることが感染の拡大に寄与することは間違いありません。心配なら家族が来院、家族がいない場合は電話相談で診断は可能です。

 

質問;インフルエンザの場合は薬を一刻も早く飲まなければならないと聞いていますが。

答え;「薬を飲んで早く治りたい」気持ちがあることは承知していますが、現代社会ではインフルエンザと診断されたら有無を言わさず最低5日は休まされます。薬の効果は最大に見積もって1日早く解熱することしかなく、薬を飲んでもウイルスは減らないことが証明されました。早く熱が下がってもどうせ休まなければならないことを考えると薬を飲まないで薬の副作用を心配せずゆったり寝ていたほうが体には優しいですね。

 

提言インフルエンザだと思ったら5日間休む。抗インフルエンザ薬は飲まない。診断書はいつでも書きます。


今年のインフルエンザの罹患患者数はかなりの数に達すると報道されました。そして解決方法はお決まりの文句;ワクチン接種を、早期の受診を、薬を、そしてうがい手洗いの徹底を・・と。そろそろ言わせてもらいます。その方法で感染の拡大は防げません。薬で早く治るなら感染の拡大も減るはずなのに、それも違います・・と。感染の拡大を防ぐには、風邪をひいたと思ったら外には出ずに家で寝ていることが大切です。

 

インフルエンザワクチン会社の社長ならこうする

2017年12月19日

社員;利益を左右する要素の一つとしてまずどこから改善しましょう

社長;ふむ。まずは在庫を残さないことだ。

 

社員;では今年の在庫は200万本でしたので今年の生産は少なめにします。

社長;よし。しかしまだそれでは対策が足りない。

 

社員;まず早めに打って(売って)もらってその後は在庫調整したほうがよろしいかと。

社長;よし。ではマスコミを使って「今年のワクチンは少ないから早めに打とう」と宣伝を流せ。賢い。

 

社員;確実に打ってもらうためにはどうすればよいですか?

社長;「インフルエンザは怖い」という宣伝も必要だな。国にも働きかけて安売り券を発行してもらおう。

 

社員;社長やりすぎでは?

社長;経済優先のこの社会だ。この会社は株式会社で利益を追求するために必要な事だ。医療もこの経済優先の社会の中にいるのだ。インフルエンザのおかげで利益がでるのだ。そうだ。   インフレンザ神社を作ってそこで祈ろう・・インフルエンザ様バンザイ!!

インフルエンザを蔓延させないために学童期にワクチンの集団強制接種をしていた時代がありました。結果をご存知ですか?毎年打っていたにも関わらず学童期のインフルエンザの流行を阻止することができませんでした。なおかつ毎年ワクチンによる死亡のニュースが流れ世論は沸騰しました。その結果ワクチンの集団接種は中止となりました。今また会社でも老人ホームでもワクチンを打てとほぼ強制に近い形で要請される世の中となりました。溜息。

 

 

「インフルエンザ」昔は「流行性感冒」

2017年11月06日

質問;インフルエンザは風邪ですか?

答え;はい。風邪のひとつで、原因がインフルエンザウイルスだということです。昔は流行性感冒と言っていましたね。

 

質問;怖いイメージがありますが?

答え;マスコミが作り上げたものです。10年以上前まではインフルエンザ診断のキットもなく、タミフルなどの薬もなかった時代にも毎年インフルエンザは流行っていましたが、特にインフルエンザの検査をすることも薬を飲むこともなく治っていました。

 

質問;脳症になったり、突然死したりするのが怖いです。

答え;脳症の原因は強い解熱剤を使った場合、もしくはタミフルなどの薬を使ったほうが確率は上がりますので当院では出来れば使いたくないです。突然死もタミフルが原因です。

 

質問;タミフルなどを使うと早く治るのでは?

答え;そう宣伝されていますが実際は、熱が早めに下がる傾向になるみたいですが治ったわけではなくウイルスは体に残っていることが解りました。ですから学校などでは解熱後2日で登校可能だったのが発熱後5日経たないと登校できなくなりました。

 

質問;インフルエンザでもほっておけば治りますか?

答え;身体には自然治癒力があります。自力で治った場合は体に免疫が着くのでその後しばらくはかからなくなります。タミフルなどを使用した場合は体に免疫が着きにくいのでまたかかりやすくなります。

 

なぜ風邪の中でインフルエンザが特別扱いされているかと言うと何兆もかけて研究して検査キットやタミフルやワクチンが成功したからです。ほっておいても治るただの風邪だったのに、その副作用で死亡してしまうリスクがあるのに、たった1日くらい早く熱を下げる薬を開発したのでその薬を使おうと躍起になっています。医療界、医薬界は潤うからいいですけどね、私は反対ですね。

 

「健康」とは

2017年10月10日

質問;ためして○○、○○の健康、たけしの○○ などの健康番組を見た後、「自分の症状は○○病かもしれない」「もし○○病になったら大変だ」と不安になります

答え;365日毎日見たら365個の不安が発生し気が狂いそうになりますね。心配事はかかりつけ医に相談してください。信頼すべきは身近な医者のはずです。

質問;健康診断を毎年受けても不安です。半年に一度と増やしたほうが良いでしょうか?

答え;検診の回数を増やせば寿命が延びるというデータは残念ながらありません。健康診断は未来の予測にはならないです。今現時点が大丈夫という確認に過ぎないのです。

 

質問;健康食品やサプリは何を飲めば良いでしょうか?

答え;健康食品やサプリは医薬品としては「認められない効果の少ないまたは効果の不確かなもの」という定義です。宣伝文句を鵜呑みにしてそれさえ飲めば大丈夫というものは残念ながらないと思います。

質問;私の身体は健康(大丈夫)でしょうか?

答え;朝起きて、お腹が空いている。食事が美味しい。笑顔や幸福感などの日常生活が宜しければ健康です。些細なデータ異常や、病気におびえ、精神的にストレスを感じると逆効果です。自分の体調について考えていない時の方がかえって健康な時ではないかと思います

 

「院長のひとり言」

画像検査や血液検査の結果に固執するあまり日常生活のすばらしさを見失いがちにならないようにしたいところです。様々な病気を抱えながら生きていくうえで、朝の目覚めに聞く小鳥のさえずりや、食事の美味しさや、我が家の匂いとか、家族の顔とか、何気ない日常会話とか、趣味とか、やり残した仕事とか。それこそが健康的な生活と言っては言い過ぎに聞こえますか?

 

医療における信頼とは

2017年09月04日

あなたは医師にあなたの要望する検査の必要がないと言われたときそれを素直に受け入れられますか?

 

外来で;「頭が痛いのでMRI撮ってください」

医師の答え;あなたの頭の痛みでMRIを撮る必要はありませんよ

反応;① 違う病院に行き、またMRIを要望する。

反応;②「必要ないと言われて安心したわ」となるか

 

実際;病院の医師の思考回路として、診断としてはほぼ大丈夫だと思っていても患者さんの「MRIを撮ってほしい」という要望を優先することが多い。なぜなら万が一なにかがあった時の心配、病院の利益の問題、評判の問題(要望に反して撮らなかったことによる満足度の低下) 結果 患者対医師の信頼関係より利害関係の方が優先される。

 

質問;私の病気、健康、老化に対する不安を解消してくれるところはどこ?

答え;当院にはあります。検査の意味、治療の限界、健康とは何か、不安の源(死への恐怖)について話会いましょう。

 

終末期にさしかかると直面する問題があります。それは対医療に関して、検査や治療の比重が低くなり、医師や看護師への人間的なつながりの比重が高くなるという事です。今まで自分の事しか信用していない方の場合、元気な頃は自分の要望する検査なり治療なり自分の思うままにできてきたかもしれません。しかし終末期はそうはいきません。我々の声に耳を傾けていただければ幸いです。

 

 

専門医とかかりつけ医

2015年09月13日

質問;高血圧は循環器科、慢性胃炎で消化器科と月にいくつかの専門医に通院しています

答え;ある病気の事に関して最良、最高の医療を提供してもらえる良いところがあります。しかし安定した後は定期的に診てもらう必要性は減ります。専門的な判断が必要な時に診てもらう事をお勧めします。

 

質問;最近、〇〇の症状がありますが、どこの科の先生に相談しても専門外だと言われてしまいました。

答え;自分の身体全体を把握して診てくれる、かかりつけ医にまず相談してください。薬の量、日常の体調、など総合的な判断より、必要に応じて最適な専門医を紹介いたします。

 

質問;かかりつけ医は、専門医でないので専門的なことがわからないかと不安です。

答え;しかし、いくつもの科から重複して薬が出ていることもよくあることです。やはり体の全てを把握している、かかりつけ医が必要でかかりつけ医がわかる範囲のことは、かかりつけ医で対処してもらいましょう。専門医への受診はかかりつけ医が判断するのが理想です。

 

質問;将来、通院出来なくなる時が来たらと心配です。

答え;元気なころから自分の身体をよく知っている、かかりつけ医に往診してもらうことが理想です。当院では、訪問診療、訪問看護が出来るので安心してください。長く最後までつきあえる、かかりつけ医がいると安心ですね。

当院では皆様のかかりつけ医、総合医をめざしております

 

89歳の女性の患者さん。健康診断で肝臓に少し異常が見つかり専門医に通院。その後毎月通院し、定期的に採血検査や超音波検査をした。そして4年間通院し今年、無事終了。理由は特にすることもなく年齢的にも通院が大変になるだろうから。しかしこの4年間の通院の意味は何だったのだろう。4年前から「することは特にないので、症状が出たら来て下さい」と言って欲しかった。無駄と言う言葉が頭に浮かびました。

 

医者と患者の信頼関係

2015年08月13日

質問;前回効いた薬を今回も出してほしいのですが?

答え; その薬が今回も本当に必要かどうか? 様々なデータから必要があるか再度検討し、必要なさそうだと判断した場合は出さない事もあります。

 

質問; 大学病院の先生からはもっとたくさん処方してもらっているのですが?

答え; 当院は、自然治癒力の観点から、極力最小限の薬を厳選してお出ししています。医学的にも効果が高く、副作用のリスクより効能(メリット)が必要と判断した薬のみお勧めしております。

質問;信頼関係はどうして築けますか?

答え十二分に話し合うことだと思います。こちらも誠意をもって説明させていただきます。分かりづらい場合には何度でもご質問ください。自分の持っている常識と異なることを言われたときには特に話し合う時間が必要です。

 

質問;薬が少なくなることが不安です

答え;必要以上に薬をたくさん飲んでいる方が多いです。減らすことに対して「不安感」があると思いますが、「勇気」を持って自分の身体を信じて薬を減らしてみてください。当院ではどうしたら安心していただけるか、どうしたら最新の医学を伝えられるかを常に考えています。そして小さな医院だからこそ、一人ひとりきめ細かく対応できます。

 

身体に僅かの変調をきたしたときに感じるもの、それは「不安感」。このまま大病につながるのではないかという。ネットで調べるといろんな病気の前兆の気がしてくる。そして病院に駆け込み「検査してくれ」「薬をくれ」と心配で張り裂けそうな声で話す。「大丈夫ですね。その症状では大病にはつながりませんよ」の一言で症状が消えてしまうか、軽くなってしまう事があります。「病は気から」と、先人は偉大です。