みんな認知症予備軍?

2023年10月02日

体験;学生時代の午後最後の授業中、先生の話を聞いているが、ぼーとして、違うことを空想している

高齢;こちらが話していることをうわの空で聞いている、違うことを妄想(空想)していることが多くなります。

対応:歳を取ると体が頑張れず休憩したくなるように、脳も休憩(ぼーっとする)時間が必要となります。そっとしておきましょう

 

 

体験;会社で部下に何かの指示を出して、ハーイといい返事をもらうが、のちに何もしていなかった、または違うことをしていたことが判明。

高齢;歳をとると集中力がなくなり何を言われているのかわからず、わからないなりにハーイと答えたり、わからないことをハーイと言って取り繕う現象が多くなります。

対応;上記を前提にこないだハーイって言ったじゃん!とならず理解してつきあいましょう

 

 

体験;「これはこうだ」と決めつけている人、周りにいませんか?例えばトマトはこう切るんだ!とか自分流のやり方を押し付けてくる人とか。

答え;歳をとると応用力が苦手となり、ますます頑固になる傾向があります。人の言うことを理解できなくなってきます。

解説;理屈で説明しても逆に憤慨されるので、この人はこう思うんだね」って思って付き合いましょう。

 

誰しもが認知症です。軽いか重いかだけ。うまく付き合うことで進行はある程度防げます!!ゆっくり愛情を持って見守ることです


あの人は認知症だから、と線引きする人がいます。しかし自分の中にも、勘違い、理解不能なこと、ちょっとボーとして違うこと考えている体験など、これが進めば認知症と言われかねない要素をいっぱい持っているので線引きはしません。こと患者さんに関しては、出来ないことに目が行きがちですが、我々は出来ることに注目して励ましていきたいと考えています

 

目からうろこの「認知症」情報

2023年09月15日

情報;水をたくさん飲むと「認知症」が改善する?

答え;病院で点滴(水分)しながら長期間過ごしている方たちは一向に認知力は改善しません。ポイントは水を飲ませる時に生じる「人との触れ合い」が生きる活力を増加させるからです。

 

情報;認知症の薬を飲むと認知症の進行が遅くなる?

答え;認知症の薬を止めると逆に会話ができるようになる、表情が和らぐ、などの事例をたくさん経験しました。当方が運営する老人ホーム我が家中国分での経験。さらに認知症の終末期においても人間関係が保たれていれば意思の疎通が図れることも経験しました。

 

情報;認知症になると痛みを感じなくなる?

答え;一見そういうふうに見えます。それは認知力が低下すると意識が痛みの部位に向かわなくなる時間が増えるからです。向けなければ痛くない、逆に健常人と言われる人がいかに痛み部位に意識を向けすぎているかが解りますね。

 

情報;脳のアミロイドタンパクを除去すれば認知症は治る?

答え;認知力が低下するとその結果アミロイドタンパクが溜まるのか、脳にアミロイドタンパクが溜まるから認知力が低下するのか?私は前者だと思います。新薬も承認されましたが副作用も報告されていますので慎重に。

 

スポーツ選手がみんなの応援があると頑張れるように認知症の方たちも、みんなに応援されると元気になります。声をかけ、目を見て話し、触れ合って過ごしていく。そうするとみな目が生き生きとしてきます。逆にほっておかれると言葉を失い、目もうつろになります。寂しくなり、人によっては身近な人に当たりだすこともあります。やはり人間は人間とのかかわりで生きていくのが良いなと思います

 

「熱中症」についてあれやこれや

2023年08月15日

定義;高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節 機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します・・厚生労働省ホームページより抜粋

 

質問;暑い日外に出てしばらくすると頭が痛くなり、ぼーとしてきます。体温は正常。これは熱中症ですか?

答え;上の定義からすると・・違います。暑さに対しての適応障害ですね。日射病疑い、暑気あたり、と言えばよいですかね。

 

質問;なんでもかんでも「熱中症」としてはいけないのですか?

答え;その通りです。熱中症に至るまでの兆候を知る必要がるからです。

質問;その兆候とはなんですか?

答え;呼びかけても あーうーは言うがちゃんと返事しない

汗が異常に出ていて、赤ら顔、息遣いも荒い

体温が非常に高い・・38度以上とか

 

質問;対処方法教えてください

答え;直射を避けて、頭冷やして、水のませて、うちわあおいで、話しかけて、それでも改善しない場合は救急要請をお願いします。

 

虹は七色と我々は当然思っていると思いますが民族によっては3色のところもあり、逆に9色を色分ける民族もあるそうです。これは色に対する言葉があるということです。色を分けられる言葉あるということが大事だと。現象に対する言葉が細かくあれば、使い分けられるということです。翻って熱中症に関して軽度から重度まで同じ言葉でくくると、分類する能力が低下して重症者を見分けられなくなる恐れがあります。もっと細かく分類してほしいなと思います

 

不健康は・・・悪か?

2023年07月15日

質問;最近(以前より)、健康診断の結果を観て、基準より外れると、産業医や保健師などから非常に熱心な健康指導がなされているように感じますが?

答え;その通りです。外れた人には専門医に行くよう指導されます。そしてその基準は年々厳しい数字になっています。

 

質問;とにかく基準より外れないように完璧になるよう治療しろということですか?

答え;その通りです。会社の中で、一定数の基準に外れる人、つまり不健康な人がいると、社会保険料が増えてしまうペナルティが果たされるんです。国保に関しても不健康な人がいると、国から自治体に対しての補助金が減らされる罰則があるのです。

ぼやき;健康ってなんでしょう?健康診断は健康かどうかを数値だけで判断します。時には数値も必要だけど、例えば背の高い人もいれば低い人もいるし、たくさん食べる人もいれば小食な人もいるように、身体はそれそれです。全ての人が基準の数字を目指すのはおかしな話です。

 

私は数字に縛られた健康監視社会の到来に少々「不満」です。

 

 

名画、カサブランカでの主役、ハンフリーボガードがタバコを吸うシーン、「あれは不健康です」。世界に名だたる三ツ星シェフも「太っているので、不健康です」。お相撲さんが上手投げで「よっしゃ」と勝ち名乗りを受け、座布団が舞っても「あの時の血圧が130を超えているので、不健康です」。健康の名の下で人間の人間らしさが失われていくことが悲しいです

5月6日号 朝日新聞

2023年06月15日

注目;青く色塗られたグラフ。死亡者数の推移です。横軸は時間です。段々畑状になっていますね。段々畑の急斜面の時何があった?

答え;この時期なにがあったのか?それの答えが下のグラフ。それはコロナワクチン3回目、4回目が打たれた時期に一致しませんか?死者数が急に増えたと見えませんか?

 

注目;青のグラフの上、線の波がグニャグニャしているグラフ。ポコン、ポコンと上に揺れる波がありますね。これは脳卒中、心筋梗塞がこの時、増えた!時期です。何があった?

答え;コロナワクチンの打たれた時期に一致しませんか?

解説;良かれと思って打ったワクチン。でも冷静に見つめなおす時期に来たのかもしれません。


未知?の感染症に対しての恐怖、良かれと思って勧めたワクチン。その結果・・今、謙虚になって振り返ってみる時期だと思います。このグラフ、よくよくみるとワクチンを打った後、特に3,4回目接種後に死者数が急に上昇しています。そして脳血管、心血管系の疾患の急増。このグラフが語るもの、素直に見れば見えてくる気がしますが如何でしょう?ワクチンの効果

薬についてあれやこれや・・

2023年05月15日

質問;ウイルス感染(コロナ、インフル等)にカロナール等の解熱剤は必要ですか?

答え;医学的には無効です。熱が高くなれば患者心理からみると不安になります。「肺炎になったら、脳がやられたら、どうしよう」って。解熱させることで一時的に良くなった?(と思わせる)ために処方されますね。

 

質問;たくさん薬を飲む、気軽に飲む、ことが何故怖いのですか?

答え;例えば薬による副作用が疑われた場合、たくさん飲んでいると、どれが原因薬剤なのかがわかりません、最後に追加された薬は一番疑わしいですが、長年内服している薬でも突然薬害がでることもあります。さらに飲み合わせで効果を減弱され、飲んでいる意味が薄れてしまうことがあります。

 

質問;具体例をあげてもらっても良いですか

答え;例えば、抗血小板薬(クロピドグレル)とPPI(ランソプラゾール、ラペラゾール)などの胃薬の併用は脳梗塞の予防効果が減弱します、またPPIの長期連用は肺炎のリスクが高くなることが解っています。

タミフル(抗インフル薬)飲むと突然死の危険度が増す。

抗がん剤の効果?延命するどころか副作用で苦しむ、寿命がかえって縮まる恐れすらあります。

市販の風邪薬一服で全身の皮膚がタダレしまう。あげればきりないです。

 

私は薬嫌いと言われます。その噂は否定しません。薬をむやみに出さないので安心して来院できるという声があるからです。しかし、薬を出さない=薬が嫌い、というのは少し違う気がします。薬をしっかり吟味し、ここぞというときにしっかり使う、それも合わせ技(いろんな薬を混ぜて使う)ではなく一本を決めに行く、そんな気持ちです。タイミングが合えば一本決めで拍手喝采、外せば非難轟轟。しかし今薬より効くもの・・「大丈夫だよ」の言霊の方を磨いています。

 

 

「医原病」再び・・

2023年04月15日

質問;そもそも「医原病」とはなんですか?

答え;医療行為そのものが健康を害する、医療側が病をコントロールしようとしてかえって増悪する病を言います。1970年代に  イヴァン・イリッチという哲学者により提唱されました。昔からアメリカでは指摘されていたのですね。

 

質問;具体的にはどういうことですか?

答え;一番わかりやすいのは薬の副作用です。良かれと思って出された薬の害です。抗コロナ薬、高脂血症薬等による免疫力低下、抗がん剤による副作用死、昨今は予防接種の副作用による害が目立ちますね・・・これらを臨床的医原病といいます。

 

質問;まだあるのですか?

答え;はい。社会的医原病と言われるものです。例えば医療費を掛ければ寿命が延びる?のではなく、医療費が安い県の寿命が一番長いというデータから言えますね。皮肉なことに医者にかからない方が長生きするということです。健康に関するサービスがもたらす害も指摘しています。

 

質問;ほかには?

答え;はい。文化的医原病と言います。簡単に言うと「死生観」の変化。15、6世紀の西洋では「死」は自然現象であり、長生きは美徳ではなかったようです。モンテーニュは「極端な老いのもたらす死・・を期待することは無駄な思い上がり。」長生きしようとする人を思い上がりの激しい人と嘲ったそうです。今、長生きは美徳??ですよね。

 

先日、訪問診療をうちでやりたいと、とある医師から問い合わせが来ました。早速面接しました。ある病院の在宅部門を統括している方でした。発言は立派でしたが、どうしても許せない発言がありました「コロナは儲かる、このまま終わらないでほしい」等々。利益は大切ですが、その前には患者さんの事を思う気持ちの方が数倍大切かと思います。こういう算術のみの医療では医原病を誘発しますね。もちろん結果は不採用。

 

 

「発熱外来」がもたらした事

2023年03月15日

質問:発熱外来の目的はなんですか?

答え;感染者(感染が疑われる人)を一般外来患者さんと区分けして感染の拡大を防ぐことが目的です。

 

質問;その結果どうなりましたか?

答え;発熱している患者さんたちは、身体が辛いのに、診療所の外に作られた簡易スペースで雨風にあたりながらパイプ椅子に座らされるか、立ったまま待たされることになりました。

また予約制のためにあちこち電話して遠い診療所、病院に行かなければならなくなりました。何か所にも電話したのに断られた、と言う話がたくさん聞こえてきました。

 

質問;医療機関側にとってなにが起こりましたか?

答え;予約枠が設定できたため、自分で人数調整可能、もらえる補助金は人数に比例しないので、最低人数にしようという意識付けが起こりました。

発熱外来ができたために一般外来勤務の医師は「発熱者は診ない」と言えるようになった。

その結果;多数の発熱者が行き場を失い自宅で不安な日々を過ごすことになった。医療機関の収入は大幅アップした。

 

ちなみに当院は発熱外来を設置しておりません。外来で普通に診察しています。できるかぎりの配慮はしておりますのでご安心ください

 

発熱外来がもたらしたもの、それは以外の何物でもなかった。医者は発熱患者を診なくてもよい(発熱外でしか診ない)という空気ができ、なのに一方ではぼろ儲けの道具になった(補助金のおかげで)患者さんたちは路頭に迷うことになった。そんな方たちの不安や怒りをいっぱい聞かされた。熱が出ると心細くなり、自分で検査したって不安は増すばかりだ。やはり直接会って安心を届けられれば良いかな。

 

 

ある癌患者さんの食事物語

2023年02月15日

患者さん:私は胃癌を患って、現在緩和医療に移行中です。1日で高カロリー輸液1-1.5L入れています。口からは採れなくなりました。痰が多いです。

私;身体に水分(栄養を含めた)が相対的に多く入ると、痰が上がってきて、浮腫みが出たりしだします。胃腸も浮腫むので口から水捕れなくなります。実際に顔は浮腫み、お腹もタプタプしていましたね。

 

患者さん;病院の管理栄養士、看護師からは「もっと栄養採らなくてはいけません、量を増やしてください」と言われて増やしたのですが。

私;結論、それは間違いでしたね。量増やしても体が受け付けなくなっていますよね。浮腫、痰が証拠です。勇気をもって点滴を減らすことをお勧めします。

 

この話の1か月後

 

患者さん;点滴減らしました。アイス、水分、わずかの固形物採れるようになりました。便も細いながらも形ある便が自然にでました。

解説;その人その人で身体に入れられる水分量は違います。身体変化に応じて変化、特に人生の最期の方に行くと、少なくなります。たくさん入れようとする努力は、気持ちは解りますが、結局自分の身体に負担をかけ、苦しめます。

 

最近、野菜炒めをよく食べるのですがふと気づいたことがあります。皿一杯食べておなかいっぱいになるのですが、この野菜、乾燥させたらほんのわずかの固形物であとは水分だよねって。我々一般的に気にするのは、蛋白、脂質、糖分、ミネラルですがボリュームで言えばほとんどが水分、そういえば人間の身体の約8割は水分、だから栄養で一番大切なのは・・分だってことではないかと思うのです

 

食べれば元気になるか?

2023年01月15日

質問:体調が悪い時などによく「食べないと元気が出ないから食べなさい」とよく言われますが本当ですか?

答え;結論です。それは間違っています。話が逆です。食べたいと体が食物、水分を欲するようになり、そして元気になって行くのです。身体が欲さないのに食事をしても、余力がある人は消化されますが、余力がない人は吐くか、下すか、苦痛を伴います。

 

現象;食べれば元気になる?と信じている方へ。試しに今日早速いつ

もの食事量の倍の量を食べてください。そして倍働いて下さい。

解説;「そんなの無理無理」と返ってきます。

 

質問;病院などから退院時に1200カロリーは採ってくださいと指導されます。

解説;それは教科書に書いてあるからです。あれはおそらく健康な方の基礎代謝量から導きだされていると思われます。しかし衰弱した高齢者、癌などを患っている方には当てはまりません。

 

質問;では我々の必要な栄養はどうやって決まりますか。

答え;人それぞれ必要カロリーは異なります。一番の目安は自分が欲する物、量は自分の身体でしか解らない、どんなに少ない量でもお腹がいっぱいになる手前が最適量になるかと思います。癌の終末期の方などは顕著にそれが現れます。必要以上に入れると、浮腫み、下痢、痰がでて辛くなります。そして自分の肉をエネルギーに変えていくので痩せていきます。

 

点滴をすれば元気なる。それは事実ですが、これには条件があります。身体が脱水状態で、水分を入れると身体にそれが巡り、尿となって排出されれば、点滴に価値はあります。しかし身体が水を処理できない状態で水を入れると、身体が浮腫み、腹水、胸水、腸管も浮腫み、そして水が飲めなくなります。その時は点滴を絞る、ないしは中止すべきです。僕も病院勤務時代はそれでも生命を維持するにはしょうがないと思っていました。しかし今は違います。身体に苦痛のない終末期をいっぱい診させてもらったので