近くの診療所と大病院

2015年04月09日

質問;まだ通院出来るので専門の病院にいくつも通っていますが、少し将来が心配です。

答え;元気な時はいくつも時間をかけて通院出来ますが、大変な時こそ通院は困難になります。将来に備えて訪問診療できる生涯付き合える医師がいると安心ですね。

質問;いよいよ通院するのが辛くなってきました。

答え;自宅に医者が通う訪問診療に切り替える事を考えましょう。医者が自宅に来ることで何かあった時に看護師がかけつける体制や、実際の生活を見る事で生活上必要なリハビリまで指示します。ケアマネージャー(※1)は介護の専門家ですから、医療面については必ず医師と相談してください。

 

質問;今まで通院していた専門病院の医者とはどうなりますか?

答え;残念ながら病院の医者は自宅での状況まで把握することは困難です。何かあったとき(入院や検査などが必要な時)には、かかりつけ医から専門医に連絡してもらうのがスムーズです。

質問;かかりつけ医は、専門的なことがわからないかと不安です。

答え;医学教育で全てを学んでいますのでかなりの部分は対応できますし、必要に応じて専門医を紹介したり、通院していた病院があればその担当医と相談したりして対応しますので安心です。

 

※1;ケアマネージャーとは、自宅改修、ベット・ヘルパーの手配など介護面をサポートします。当院にも付属ケアマネージャーがおります。

 

急に体の状態がおかしくなったらすぐに入院させてもらえるからと言う理由で大学病院、市中の総合病院に通院している方たちがいます。確かに通院患者さんを入院時は優先することはあるかもしれません。しかし大病院の役目は急性期の治療にあり、落ち着いたら地域の診療所で診て行くということがこれからの地域医療です。地域の診療所と大病院が連携を密にして普段は地域の診療所、検査や入院が必要時に大病院というのがこれからの医療の形です。

 

 

健康とは何か

2015年03月03日

質問;ためして○○、○○の健康、たけしの○○ などの健康番組を見た後、「自分の症状は●●病かもしれない」「もし○○病になったら大変だ」と不安になります

答え;365日毎日見たら365個の不安が発生し気が狂いそうになりますね。心配事はかかりつけ医に相談してください。信頼すべきは身近な医者のはずです。

質問;健康診断を毎年受けても不安です。半年に一度と増やしたほうが良いでしょうか?

答え;検診の回数を増やせば寿命が延びるというデータは残念ながらありません。健康診断は未来の予測にはならないです。今現時点が大丈夫という確認に過ぎないのです。

 

質問;健康食品やサプリは何を飲めば良いでしょうか?

答え;健康食品やサプリは医薬品としては「認められない効果の少ないまたは効果の不確かなもの」という定義です。宣伝文句を鵜呑みにしてそれさえ飲めば大丈夫というものは残念ながらないと思います。

質問;私の身体は健康(大丈夫)でしょうか?

答え;朝起きて、お腹が空いている。食事が美味しい。笑顔や幸福感などの日常生活が宜しければ健康です。100才までぴんぴんしていたいと思うあまり、病気におびえ、精神的にストレスを感じると逆効果です。健康は有難がるもので、追い求めるものではなさそうです。

 

刑事事件のテレビドラマを見ると、毎回いろんな重大事件が起きるが実際に身の回りで重大事件に遭遇することはまずない。医療ドラマも似ている。テレビでは毎日いろんな急変が発生するが、実際の現場ではそんなに頻繁には起こらない。癌の最期はのたうちまわってく苦しむことは滅多にない。病院から退院し自宅に帰ってもいろんな合併症が次々に起こり救急対応に時間がかかったら大変だと心配するような大変な事はめったに起きない。ご安心を。

 

 

インフルエンザは風邪

2015年02月09日

質問;インフルエンザは風邪ですか?

答え;はい。風邪のひとつで、原因がインフルエンザウイルスだということです。昔は流行性感冒と言っていましたね。

 

質問;怖いイメージがありますが?

答え;マスコミが作り上げたものです。10年以上前まではインフルエンザ診断のキットもなく、タミフルなどの薬もなかった時代にも毎年インフルエンザは流行っていましたが、特にインフルエンザの検査をすることも薬を飲むこともなく治っていました。

 

質問;脳症になったり、突然死したりするのが怖いです。

答え;脳症の原因は強い解熱剤を使った場合、もしくはタミフルなどの薬を使ったほうが確率は上がりますので当院では出来れば使いたくないです。突然死もタミフルが原因です。

 

質問;タミフルなどを使うと早く治るのでは?

答え;そう宣伝されていますが実際は、熱が早めに下がる傾向になるみたいですが治ったわけではなくウイルスは体に残っていることが解りました。ですから学校などでは解熱後2日で登校可能だったのが発熱後5日経たないと登校できなくなりました。

 

質問;インフルエンザも自然に治りますか?

答え;身体には自然治癒力があります。自力で治った場合は体に免疫が着くのでその後しばらくはかからなくなります。タミフルなどを使用した場合は体に免疫が着きにくいのでまたかかりやすくなります。

 

風邪は誰だってひきたくないし、ひいてしまったら早く治りたい。薬で治ったと信じている人もいるが、熱が下がってもだるさが続いている場合はまだ治っていない。どうやら一度かかったらある程度決まった時間が経たないと治らない、というのが実際のところかもしれない。そんな風邪にも素晴らしい効用がある。それは風邪が治った時に感じる爽快感、「健康ってすばらしい」と感じる気持ち、これが何よりの効用かもしれないね。

 

 

インフルエンザ

2015年01月08日

質問;インフルエンザとはなんですか?

答え風邪のひとつで原因がインフルエンザウイルスだということです。

 

質問;怖いイメージがありますが?

答え;マスコミが作り上げたものです。10年以上前まではインフルエンザ診断のキットもなく、タミフルなどの薬もなかった時代にも毎年インフルエンザは流行っていましたが、特にインフルエンザの検査をすることも薬を飲むこともなく治っていました。

 

質問;脳症になったり、突然死したりするのが怖いです。

答え;脳症の原因は強い解熱剤を使った場合、もしくはタミフルなどの薬を使ったほうが確率は上がりますので当院では出来れば使いたくないです。

 

質問;タミフルなどを使うと早く治るのでは?

答え;そう宣伝されていますが実際は、熱が早めに下がる傾向になるみたいですが治ったわけではなくウイルスは体に残っていることが解りました。ですから学校などでは解熱後2日で登校可能だったのが発熱後5日経たないと登校できなくなりました。

 

質問;インフルエンザでもほっておけば治りますか?

答え;身体には自然治癒力があります。自力で治った場合は体に免疫が着くのでその後しばらくはかからなくなります。タミフルなどを使用した場合は体に免疫が着きにくいのでまたかかりやすくなります。

 

時代は変わりました。僕がまだ勤務医をしていた時代は「風邪で休むなんてとんでもない」という空気の中で仕事をしていました。高熱が出てもふらふらしながら通勤したものでした。そのために病院全体に風邪が蔓延し医療スタッフが次々と感染して迷惑をかけたこともありませんでした。一般社会もおそらくそうだったと思います。翻って今は風邪、特にインフルエンザと診断されれば「会社に来るな」という空気に変わりました。どちらが良いとか悪いとかの問題ではなさそうです。空気の問題ですかね。

 

 

延命

2014年12月03日

質問;息も心臓も止まっています。人工呼吸、心臓マッサージをしますか?

答え;この問いに「ハイ」とお願いする場合は最近めったに見られません。無意味な延命行為と考える方が増えました。

質問;口から食べることが出来ません。胃に直接管(胃ろう)を入れて延命しますか?

答え;多くの方が迷うところです。胃に管をいれて栄養をそこから入れれば長生きができます。これは明らかな延命行為です。

 

質問;水も飲まなくなりました。点滴して欲しいのですが?

答え;多くの方が迷うところです。点滴ぐらいならと…。しかしご自身の意志で点滴を希望されるというよりは家族が希望されることがほとんどです。これも延命行為では?

 

質問;口から食べることが出来なくなりましたが、僅かの水と栄養ですごさせたいのですが?

答え;結構です。老衰は徐々に食欲がなくなり眠るように最期を迎えます。こういう形がいちばん自然に近い、自分の身体と意志で自分の運命を決められるからです。

質問;ぴんぴんころりが理想なので、延命はしたくありません。

答え;延命はしたくないというのが一般的に多くの方希望しているようです。そのことを主治医にきちんと伝える事が必要です。

 

ぴんぴんころりというのが理想だと世間では喧伝されているようだ。現場でころりと逝ってしまうと何が起こるか。まず家族がびっくりして救急車を呼ぶ。本当に逝ってしまっていると救急隊が判断すると警察を呼ぶ。警察が来るとその家族が容疑者となる。次々に質問、いや尋問が始まる。「そのとき何をしていましたか」と疑いのまなざしが来る。これを経験すると大変不愉快なことになるのだ。また突然の喪失感でしばらく立ち直れない。その点では癌などはゆっくり最期を迎えられるので人生整理が可能です。

 

認知症の効能

2014年11月03日

その1;こだわりが消える

その心は; 私は絶対に呆けたくない、寝たきりになりたくない、などのこだわりから解放され、「老い」を心配しなくなります。

 

その2一人でいても飽きない

その心は; 周囲に無関心になるので、自分の世界に入っていることが多くなります。一人で1日中忙しく誰かと会話したり、仕事したり。しかし逆に関心を引きたくていろんなことをしでかすことがあります。

その3苦痛が軽減される

その心は;認知症になると、体に対しての過度の関心が薄くなり、痛み、不安などが軽減される傾向があります。そのことから通院をする必要がなくなり、結果として薬も減るようになります。

 

その4笑顔が素敵になる

その心は;一昔前は「恍惚の人」などと言われたように、なにか憑き物が取れたような、わだかまりが消えたような、現世の苦しみから解き放たれたような、そんな感じを受けます。たまにのぞかせる満点の笑顔に遭遇することでしょう。

 

認知症になると、なにもかもおしましだという風潮がありますが、見方をかえれば、老いの一部として受け入れ、上手に付き合っていけると思います。

 

身体と頭のバランスが一番大切です。身体が元気で頭の回転が鈍ると「呆け」が目立つようになります。身体が鈍ってきているのに頭の回転が良いと老いを受け入れられずに「うつ」になったり、気がおかしくなったりしてしまう人もいます。極端に呆ける事を恐れずに、体の衰えとともに上手に少しずつ呆ける方が良いかと今は考えています。

 

 

健康とはなにか

2014年09月10日

質問;ためして○○、○○の健康、たけしの○○ などの健康番組を見た後、「自分の症状は●●病かもしれない」「もし○○病になったら大変だ」と不安になります

答え;365日毎日見たら365個の不安が発生し気が狂いそうになりますね。心配事はかかりつけ医に相談してください。信頼すべきは身近な医者のはずです。

質問;健康診断を毎年受けても不安です。半年に一度と増やしたほうが良いでしょうか?

答え;検診の回数を増やせば病気を未然に防ぐというデータは残念ながらありません。健康診断は未来の予測にはならないです。今現時点が大丈夫という確認に過ぎないのです。

 

質問;健康食品やサプリは何を飲めば良いでしょうか?

答え;健康食品やサプリは医薬品としては「認められない効果の少ないまたは効果の不確かなもの」という定義です。宣伝文句を鵜呑みにしてそれさえ飲めば大丈夫というものは残念ながらないと思います。

質問;私の身体は健康(大丈夫)でしょうか?

答え;朝起きて、お腹が空いている。食事が美味しい。笑顔や幸福感などの日常生活が宜しければ健康です。100才までぴんぴんしていたいと思うあまり、病気におびえ、精神的にストレスを感じると逆効果です。健康は有難がるもので、追い求めるものではなさそうです。

 

スポーツ番組で、ある選手が「自分の意識が「無」の状態の時が一番成績がよい、体の位置とか向きとかを意識している時は成績が悪い」と語っていました。健康についても同じだと思います。自分の身体の事について意識していない状態が健康な状態であると。病み上がりの時には本当に健康って有難いと思いますよね。健康って自ら掴みにいくというより、今ある状態でも有難いと感じる力かなと思う今日この頃です。

 

 

熱中症

2014年08月11日

質問;テレビでは熱中症にならないように水分を摂れと放映していますが、実際なかなか水分を取ってくれません…。(家族の談)

答え;確かに水分補給は大切ですが、暑さ対策、風通しをよくする、室温を管理する、等のほうが大切です。

高齢者は基本的に、体の必要水分量は若い人より少ない、また汗をかき過ぎることは少ないので、ご家族が期待されるように水分を取らないのが一般的です。

 

質問;冷房を嫌います。

答え;冷房の冷気はかなり高齢者の深部に到達し不快を与えるようです。可能であれば直接冷気を当てないように、風は自然な風が理想です。

真夏なのにコタツに入っている方もいます。ちょっとビックリ。

 

質問;熱中症対策は?

答え;体温が37度以上になって、少し元気がないなと感じたら、保冷剤などをタオルに巻いてで首の後ろ、わきの下、太ももの付け根などを冷やす、そして水分補給(口から無理な場合は点滴)です。

 

質問;命に関わる状態の目安はなんですか?

答え;体温が上がる(42度以上)、意識がない(呼びかけても応じない)などです。この場合は救急車を呼んでください。38-39度程度で、もうろうとしている場合はご連絡ください。

 

我々はいつから自分の本能を信じなくなったのだろう? 今日は気温が上がるから水分補給を忘れずに、今日は寒いから一枚上着を着ろ、〇〇を食べろ、〇〇をするな、など全てテレビやラジオの言う事を頼りに生活している感があります。そのうちコンピュータに人間が管理される時代が来そうです。自分の意志、本能をもう少し大事にして生活したいものです。

延命

2014年07月08日

質問;口から食べることが出来ません。胃に直接管(胃ろう)を入れて延命しますか?

答え;多くの方が迷うところです。胃に管をいれて栄養をそこから入れれば長生きができます。しかし・・これは延命行為では?自分の運命を自分で決められなくなる可能性があります。

 

質問;水も飲まなくなりました。点滴して欲しいのですが?

答え;多くの方が迷うところです。点滴ぐらいしてほしいと…。しかしご自身の意志で点滴を希望されるというよりは家族が希望されることがほとんどです。これも延命行為では?

 

質問;体調が悪そうなので検査のために入院をさせたいのですが?

答え;検査結果に少しでも異状が見つかれば、たいてい治療を勧められます。また治療のためベッドで抑制されることも多く、寝たきりや、痴ほう症状がでるリスクはありますが、長生きはするかもしれません。これも延命の一つですね。

 

質問;口から食べることが出来なくなりましたが、僅かの水と栄養ですごさせたいのですが?

答え;結構です。老衰は徐々に食欲がなくなり眠るように最期を迎えます。こういう形がご本人にとっては一番無理のない苦痛の少ない、一番自然に近い状態です。周りから強制的に生かされるのでなく、自分の身体と意志で自分の運命を決められるからです。

※今回は高齢者で衰弱している場合を想定した内容です。

 

長生きは美徳ですか?還暦、米寿、卒寿、白寿・・これらはゴールへの通過地点にある給水所みたいな感覚ですか? 途中で亡くなったら、途中棄権として恥ずかしい結果になりますか? 長生きした人にインタビューすると皆ほとんど早く死にたいと言う、または長く行き過ぎたとも言う。いわゆる短命で世を去っていく人々に接すると「長生き」よりも今日一日の中身をしっかりさせたいな、と思う今日この頃です。

 

 

よりよい地域の医療について

2014年05月01日

質問;まだ通院出来るので専門の病院にいくつも通っていますが、少し将来が心配です。

答え;元気な時はいくつも時間をかけて通院出来ますが、大変な時こそ通院は困難になります。将来に備えて訪問診療できる生涯付き合える医師がいると安心ですね。

 

質問;いよいよ通院するのが辛くなってきました。

答え;自宅に医者が通う訪問診療に切り替える事を考えましょう。医者が自宅に来ることで何かあった時に看護師がかけつける体制や、実際の生活を見る事で生活上必要なリハビリまで指示します。ケアマネージャー(※1)は介護の専門家ですから、医療面については必ず医師と相談してください。

 

質問;今まで通院していた専門病院の医者とはどうなりますか?

答え;残念ながら病院の医者は自宅での状況まで把握することは困難です。何かあったとき(入院や検査などが必要な時)には、かかりつけ医から専門医に連絡してもらうのがスムーズです。

 

質問;かかりつけ医は、専門的なことがわからないかと不安です。

答え;医学教育で全てを学んでいますのでかなりの部分は対応できますし、必要に応じて専門医を紹介したり、通院していた病院があればその担当医と相談したりして対応しますので安心です。

 

※1;ケアマネージャーとは、自宅改修、ベット・ヘルパーの手配など介護面をサポートします。当院にも付属ケアマネージャーがおりますが当院外とも連携しております。

 

自宅でなるべく長く、できれば最期まで過ごしたいと考えている場合、医療と介護、そして利用者(患者)側との密な話し合い、考え方のすり合わせ、そして信頼感の獲得が必要です。最初から意見が一致することはまれです。話し合って医療側は利用者の不安、不満を解消するように、利用者側は質問を通じて信頼を感じていただかなければいけません。お互いの努力が肝心です。「このラーメンちょっと違う」と思っても「他に良いラーメン屋あるよ」とラーメン屋歩きをするのとはわけが違います。