いわゆる老人ホームというところは

2018年03月19日

入居者質問;食事は普段朝夕の2食なのですが、いいですか?

答え;駄目です。健康管理のもと3食を時間通りに食べないといけません。朝寝坊すると朝食が食べられないので起こしに行きますよ。⇒ 無理に食べると誤嚥性肺炎の原因になります

 

入居者質問;歩きたいときに歩きたいのですが。

答え;あなたが「正常」と判定されていれば大丈夫です。しかし「認知症」とか「歩行が弱い」と判定された場合には、床にセンサーマットを挽き、不用意に歩くと職員を飛んで行かせて「駄目です」と言い、ベッドか椅子かに連れ戻します。外出も職員の同行でお願いします。入浴は強制です。汚いので。

⇒ほぼ監禁状態になります。認知症の人にとってはつらいです。いやいや脱がされてお湯をかけられます。怒るでしょ。

 

入居者質問;夜中に突然人に入ってこられると怖いのですが・・。

答え;安全管理のために夜中に部屋を開けさせてもらいます。そして万が一おもらしなどしていたら強制的に取り換えさせていただきます。⇒ 普段以上に不穏状態になります。拒否反応が増します。

 

入居者質問;わたし寝言が多いのですが。白昼夢も見るのです。夢見ながら歩いてしまう癖があるのですが。

答え;大声であると判定された場合や、間違って他人の部屋に入ってしまうことが見受けられた場合には他者に迷惑ですので精神安定剤の服用をしていただきます。⇒薬によって廃人になります。

 

老人ホームを見ていて感じることがあります。入居者が施設の規律を乱すと「嫌な入居者」というハンコが押されます。大声だしたり徘徊したりすると精神安定剤を出されます。自分の時間で動くのではなく、職員の時間に合わせられます。車いすに乗っているとそれこそ超特急で移動させられます。自分が望んでいなくても家族や職員が「心配だから病院へ」と言われれば連れていかれます。せめて自分のホームである「我が家中国分」ではそういうホームにしたくないですね。

 

上田医院流 インフルエンザ 対策

2018年02月19日

質問;学校や会社に報告のためにインフルエンザかどうかの診断が必要です。絶対に鼻に入れる簡易診断キットが必要ですか?

答え;現在の簡易診断キットの正確性は90%程度で限界があります。最終的には状況判断を含めて医師が診断しますのでキットでの診断なしでもインフルエンザの診断は可能です。

 

質問;医院に行くとインフルエンザがうつりそうで心配です。

意味;その通りです。診断のために医院に来ることが感染の拡大に寄与することは間違いありません。心配なら家族が来院、家族がいない場合は電話相談で診断は可能です。

 

質問;インフルエンザの場合は薬を一刻も早く飲まなければならないと聞いていますが。

答え;「薬を飲んで早く治りたい」気持ちがあることは承知していますが、現代社会ではインフルエンザと診断されたら有無を言わさず最低5日は休まされます。薬の効果は最大に見積もって1日早く解熱することしかなく、薬を飲んでもウイルスは減らないことが証明されました。早く熱が下がってもどうせ休まなければならないことを考えると薬を飲まないで薬の副作用を心配せずゆったり寝ていたほうが体には優しいですね。

 

提言インフルエンザだと思ったら5日間休む。抗インフルエンザ薬は飲まない。診断書はいつでも書きます。


今年のインフルエンザの罹患患者数はかなりの数に達すると報道されました。そして解決方法はお決まりの文句;ワクチン接種を、早期の受診を、薬を、そしてうがい手洗いの徹底を・・と。そろそろ言わせてもらいます。その方法で感染の拡大は防げません。薬で早く治るなら感染の拡大も減るはずなのに、それも違います・・と。感染の拡大を防ぐには、風邪をひいたと思ったら外には出ずに家で寝ていることが大切です。

 

間違った健康常識

2018年01月19日

間違い;インフルエンザ感染は抗インフルエンザ薬を使用しないと治らない・・・。

正解;インフルエンザは風邪のひとつで基本的には自然治癒します。抗インフルエンザ薬がなかった時代でもインフルエンザは毎年はやり、そして自然に収束していきました・・ご安心を。

 

間違い;血圧が130を超えるとすぐに脳卒中になるほど危険である

正解;常に血圧が高い人は脳卒中になる確率が年間で少し高くなりますが、瞬間的に血圧が高くても低い時があれば大丈夫です。

 

間違い;健康診断を受けていれば長生きする。

正解;健康診断は受けた時点での健康状態は解りますが未来の予測にはなりません・・。寿命が延びたというデータはありません。

 

間違い;認知症になるとみな徘徊しだし、何にもわからなくなる。

正解;いわゆる認知症(この言葉が嫌いです)の中には徘徊する人がいるというだけです。また全員が何にもわからなくなるのではなくこれも一部の人たちだけです。認知症を過度に心配しすぎて精神病にならないでくださいね・・。

 

間違い?;癌は早期発見早期治療で治る。

正解;専門家のあいだでも議論が分かれています。私は「大丈夫取りきれました・・」と言われたが再発した終末期の方を多くみています。

最近の健康番組を含めた健康に関する情報は、人を安心させるというより病気の恐怖におとしいれます。その結果可能性の低い事を心配し、たいしたことないのに通院し、必要のない薬を飲んでいる方がとても多いです。医療側は儲かりますが、実は過度な投薬は非常に危険で私はとても心配です。薬はどうしても必要な時に最低限の量で飲むことを強くお勧めします。

 

インフルエンザワクチン会社の社長ならこうする

2017年12月19日

社員;利益を左右する要素の一つとしてまずどこから改善しましょう

社長;ふむ。まずは在庫を残さないことだ。

 

社員;では今年の在庫は200万本でしたので今年の生産は少なめにします。

社長;よし。しかしまだそれでは対策が足りない。

 

社員;まず早めに打って(売って)もらってその後は在庫調整したほうがよろしいかと。

社長;よし。ではマスコミを使って「今年のワクチンは少ないから早めに打とう」と宣伝を流せ。賢い。

 

社員;確実に打ってもらうためにはどうすればよいですか?

社長;「インフルエンザは怖い」という宣伝も必要だな。国にも働きかけて安売り券を発行してもらおう。

 

社員;社長やりすぎでは?

社長;経済優先のこの社会だ。この会社は株式会社で利益を追求するために必要な事だ。医療もこの経済優先の社会の中にいるのだ。インフルエンザのおかげで利益がでるのだ。そうだ。   インフレンザ神社を作ってそこで祈ろう・・インフルエンザ様バンザイ!!

インフルエンザを蔓延させないために学童期にワクチンの集団強制接種をしていた時代がありました。結果をご存知ですか?毎年打っていたにも関わらず学童期のインフルエンザの流行を阻止することができませんでした。なおかつ毎年ワクチンによる死亡のニュースが流れ世論は沸騰しました。その結果ワクチンの集団接種は中止となりました。今また会社でも老人ホームでもワクチンを打てとほぼ強制に近い形で要請される世の中となりました。溜息。

 

 

「インフルエンザ」昔は「流行性感冒」

2017年11月06日

質問;インフルエンザは風邪ですか?

答え;はい。風邪のひとつで、原因がインフルエンザウイルスだということです。昔は流行性感冒と言っていましたね。

 

質問;怖いイメージがありますが?

答え;マスコミが作り上げたものです。10年以上前まではインフルエンザ診断のキットもなく、タミフルなどの薬もなかった時代にも毎年インフルエンザは流行っていましたが、特にインフルエンザの検査をすることも薬を飲むこともなく治っていました。

 

質問;脳症になったり、突然死したりするのが怖いです。

答え;脳症の原因は強い解熱剤を使った場合、もしくはタミフルなどの薬を使ったほうが確率は上がりますので当院では出来れば使いたくないです。突然死もタミフルが原因です。

 

質問;タミフルなどを使うと早く治るのでは?

答え;そう宣伝されていますが実際は、熱が早めに下がる傾向になるみたいですが治ったわけではなくウイルスは体に残っていることが解りました。ですから学校などでは解熱後2日で登校可能だったのが発熱後5日経たないと登校できなくなりました。

 

質問;インフルエンザでもほっておけば治りますか?

答え;身体には自然治癒力があります。自力で治った場合は体に免疫が着くのでその後しばらくはかからなくなります。タミフルなどを使用した場合は体に免疫が着きにくいのでまたかかりやすくなります。

 

なぜ風邪の中でインフルエンザが特別扱いされているかと言うと何兆もかけて研究して検査キットやタミフルやワクチンが成功したからです。ほっておいても治るただの風邪だったのに、その副作用で死亡してしまうリスクがあるのに、たった1日くらい早く熱を下げる薬を開発したのでその薬を使おうと躍起になっています。医療界、医薬界は潤うからいいですけどね、私は反対ですね。

 

「健康」とは

2017年10月10日

質問;ためして○○、○○の健康、たけしの○○ などの健康番組を見た後、「自分の症状は○○病かもしれない」「もし○○病になったら大変だ」と不安になります

答え;365日毎日見たら365個の不安が発生し気が狂いそうになりますね。心配事はかかりつけ医に相談してください。信頼すべきは身近な医者のはずです。

質問;健康診断を毎年受けても不安です。半年に一度と増やしたほうが良いでしょうか?

答え;検診の回数を増やせば寿命が延びるというデータは残念ながらありません。健康診断は未来の予測にはならないです。今現時点が大丈夫という確認に過ぎないのです。

 

質問;健康食品やサプリは何を飲めば良いでしょうか?

答え;健康食品やサプリは医薬品としては「認められない効果の少ないまたは効果の不確かなもの」という定義です。宣伝文句を鵜呑みにしてそれさえ飲めば大丈夫というものは残念ながらないと思います。

質問;私の身体は健康(大丈夫)でしょうか?

答え;朝起きて、お腹が空いている。食事が美味しい。笑顔や幸福感などの日常生活が宜しければ健康です。些細なデータ異常や、病気におびえ、精神的にストレスを感じると逆効果です。自分の体調について考えていない時の方がかえって健康な時ではないかと思います

 

「院長のひとり言」

画像検査や血液検査の結果に固執するあまり日常生活のすばらしさを見失いがちにならないようにしたいところです。様々な病気を抱えながら生きていくうえで、朝の目覚めに聞く小鳥のさえずりや、食事の美味しさや、我が家の匂いとか、家族の顔とか、何気ない日常会話とか、趣味とか、やり残した仕事とか。それこそが健康的な生活と言っては言い過ぎに聞こえますか?

 

医療における信頼とは

2017年09月04日

あなたは医師にあなたの要望する検査の必要がないと言われたときそれを素直に受け入れられますか?

 

外来で;「頭が痛いのでMRI撮ってください」

医師の答え;あなたの頭の痛みでMRIを撮る必要はありませんよ

反応;① 違う病院に行き、またMRIを要望する。

反応;②「必要ないと言われて安心したわ」となるか

 

実際;病院の医師の思考回路として、診断としてはほぼ大丈夫だと思っていても患者さんの「MRIを撮ってほしい」という要望を優先することが多い。なぜなら万が一なにかがあった時の心配、病院の利益の問題、評判の問題(要望に反して撮らなかったことによる満足度の低下) 結果 患者対医師の信頼関係より利害関係の方が優先される。

 

質問;私の病気、健康、老化に対する不安を解消してくれるところはどこ?

答え;当院にはあります。検査の意味、治療の限界、健康とは何か、不安の源(死への恐怖)について話会いましょう。

 

終末期にさしかかると直面する問題があります。それは対医療に関して、検査や治療の比重が低くなり、医師や看護師への人間的なつながりの比重が高くなるという事です。今まで自分の事しか信用していない方の場合、元気な頃は自分の要望する検査なり治療なり自分の思うままにできてきたかもしれません。しかし終末期はそうはいきません。我々の声に耳を傾けていただければ幸いです。

 

 

医者の発言と本音

2017年08月07日

発言;とりあえずこの薬をだしておきますから・・飲んでみたら。

答え;現時点でどうしても必要とは思われないが、患者さんが薬を望んでいることが多いので、とりあえず 出しときますか・・・・・・という意味。必要は必ずしもないと思っている。

とりあえず検査をしましょう・・という場合も、この時期で診断がついていないので、何か検査で引っかかったらよいなと思っている。

 

発言;なんでこんなになるまでほっておいた・・・

答え;もし前に診てもらっていた医師がいる場合には「あてつけ」。いない場合には、あまりに症状がひどいので「手に負えない」と思っている、何しろ治せないかもしれないので誰かのせいにしたいと思っているときの発言。

 

発言;この薬のんでいないと死んじゃうよ

答え;脅して自分のところにつなぎとめておきたいときの発言。ちなみに「ではどの位の確率ですか?」と聞くと返事ができない。論文を見せて話してくれたらすばらしい。

 

発言;年のせいでしょ

答え;なかなか治らないので上手に病気と付き合っていってもらいた    いと思っている。以前はこの発言に世間は批判的であったが最近は容認されてきている気がする。

 

発言:寿命はあと3年です。

答え:特に根拠はない。1、2年だと短いし4年だと縁起が悪いし5年だと微妙に長い気がする。3という数字が心地よい・・その程度の根拠。

 

80歳代後半の女性。現在施設に入所中。車いす生活。食事以外の生活にほぼ介助が必要な患者さん。いわゆる認知症があるがニコニコ生活されている。某病院の先生が、骨を丈夫にする注射を半年に1回「絶対にしないとだめだ」と言うのでしている。私は「いつまでやるのですか?」と電話したら物凄い上の方から「絶対必要だ」と一蹴された。寝たきりになってもやるのかどうかまた聞いてみようと思う。

 

終末期の過ごし方

2017年07月07日

質問;まだ諦めたくないので緩和ケアは早いと思います。

答え;緩和ケアとは「痛みなどを緩和する(やわらげる)等、日常生活を快適に過ごすための治療」を言います。しかし治療の見込みのない人が受ける医療ではなくまさに治療中からも必要な医療です。

 

質問;食事量が減ったので心配です。なんとか食べさせる方法は?

答え;体が終末期に入ると「食べない」のは「食べたくても食べることが出来ない」のではなく「体が少ない食事量しか欲しない、または食べる事を欲しない体になった」と理解すべきです。そして自分の体の肉を消費していきます(異化作用)。ご家族的には食べてほしいと願う気持ちは理解できます。しかし「食え、食え」の声掛けは本人を苦しめます。

 

質問;点滴していただけますか?脱水になるのでは?

答え;この時期の点滴には罪の方が大きいです。点滴の栄養は身体が受け付けないばかりか癌に取られます。水分は浮腫みとなって身体全身にたまっていき、体を苦しめます。

質問;痩せていくのが見ていて辛いです。

答え;世間的には負のイメージですが、人間は自然な状態で過ごせば最後は必ず脱水(枯れていく)になります。脱水になると眠くなり、苦痛も軽減させます。より自然に逝くことができます。

 

ほぼ毎日と言っていいほどに新聞の広告欄には「○○で癌は治る・・・」という本が載っています。なんとかして治りたい、治したい、いろんな事を試すのはいいと思います。ただ余りにもいろんな事にしがみつくと大切な事を見失う気がします。「大切な事?」って意外と平凡な日常生活であったり身近な人や物とのふれあいだったりするのです。

 

 

よい「介護」とは「自立」とは?

2017年06月07日

「自立」とは自分以外の助けなしで、または支配を受けずに自分の力で物事をやっていくこと・・・。では「介護」とは何か?

 

質問;うちの爺さんは自分でトイレに行かないのでこちらでタイミングを見計らって連れて行っています。オムツにしたくないので24時間見守っているので夜も眠れません。

答え他力で立たせてトイレに連れて行く・・ことが「自立」なのか考えてほしいところです。常に見守って、気にかけてオムツにしないという事が「自立」につながらない気がします。

 

質問;自力で歩くのは転倒の危険があるため、両手で手引きして歩かせています。こちらが動かなければ動きません・・。

答え;自分の行きたい方向に自分で行く、つまり「自立」という本来の意味での自立した歩行かどうか考えてください。自走式の車いすに座ってもらい自分の行きたい方向に行くという方が「自立」していると思いませんか?

 

質問;毎食完食させることを目指して頑張っています(介護者の発言)

答え;技術(食べさせるという)はすばらしいと思います。しかし本来の介護の観点からすると被介護者の体調を見ながら調子が悪そうなときには減らすなり止めるということが必要な時があります。そういう目(被介護者の視点に立った)の方が大切かなと思います。

ついつい「自分でやってしまった方が早いから」と、なんでもかんでもやってあげてしまうことってありますよね。やられる方は100%受け身となり、そのうち自分でやらなくなります。「してあげたい」という気持ちができる介護者には多いと思いますが、やることによってかえって被介護者の能力を削いでしまうという現実もあります。係わり具合が難しい。できないことをそっと支え、できることをじっと見守る、これができればよいかなと思います。