癌でも老衰死できます

2014年01月07日

質問;癌で亡くなる場合と老衰で亡くなる場合の違いはなんですか?

答え;・・・・明確な区別は難しいです。まず自然死にあたる老衰死について知るべきです。老衰の兆候は、元気がなくなります。食事量がだんだん減ってきます。最後は水を少々のみの日が続きます。周囲に無関心になります。寝る時間が増えてきます。「眠るよう」と形容されることが多いです。しかし最後の最期は呼吸が早くなり、荒くなります。これは苦しんでいるわけではありません。癌で亡くなる場合は、いかに上記の状況とかけ離れているかだと思います。

 

質問;うわごとを言ったり、わけのわからないことを叫んだりしています。

答え;冷静に自己分析できる方に聞くと、最期になると、昔の事や思い出が走馬灯のように目の前にでてくるそうです。寝言に近いと思って見守ってください。

 

質問;癌の最期は苦しみますか?

答え;テレビの見すぎです。特殊な場合を省き、だいたいの方は苦しみません。痛みが出ている場合はモルヒネの鎮痛剤でほぼ調節できます。また極度の不安感など精神的なものから痛みが出ます。病気と闘うことも大事ですが、受け入れることも時には大切です。

 

質問;自宅で最期は迎えられますか

答え;自宅にいたいという気持ちがあればどなたでも迎える事が出来ます。当院が全力でお手伝いします。

 

95才男性、胃がんの末期の診断で訪問診療を依頼されました。お腹は硬く食べ物は少量しか入らない状況でした。そんななかでもこたつにこもりながら日々を過ごす毎日。食事も少しずつとれていました。12月に入りほぼ水のみの毎日となり、最後の1週間は寝たきり。自分の肉を使い切り30日にこの世を去りました。人生やり尽くした大往生の称号として老衰とさせていただきました。

 

2012年10月号「在宅医療」

2012年10月24日

質問;通院が大変になってきました。いろんな専門科にかかっていますが主治医がわかりません。

答え;いろんな科に通院している場合は主治医が誰だかわからないということがよく見られます。患者さん自身が主治医?のように振る舞う方もいますね。

 

質問;在宅医療をお願いするときには他院への通院は辞めないとだめですか?

答え;その必要はありません。在宅医療と通院を併用して結構です。その場合「主治医」は在宅医に任せた方がよいです。在宅医は患者さんの身体全部を診ます。また家庭環境、社会環境含めて診ていきます。そして将来どの科の通院が必要か、不必要かの判断をさせていただきます。

 

質問;いよいよ通院ができなりました。

答え;すべて在宅医療で診させていただきます。いろんな科から薬がでていると思いますが重複していたり、多すぎると思われる薬がでてきます。それは整理させていただきます。

 

質問;自宅で最期は迎えられますか

答え;自宅にいたいという気持ちがあればどなたでも迎える事が出来ます。当院が全力でお手伝いします。

院長のひとり言

いろんな専門家にかかっている方が通院困難となり在宅医療(訪問診療)を併用することになると、最初の仕事は内服薬の整理と通院科目の整理です。胃薬が何種類もでていたり、血圧の薬も何種類もでていたりするのです。静かな生活になると血圧は低くなり血圧薬はまず減量できます。通院先も一番重要なものだけにして他は当方で診て行きます。過度な薬や通院を減らすことによって体や精神的負担も減るようです。そしてよりよい自宅療養へと結びつけば幸いです。