好きな物を好きなだけ
2014年12月03日
千葉県市川市中国分2-11-6
2014年12月03日
2014年10月28日
最期はどうなるんでしょう?
弱っていくご主人を見ながら、まだ大丈夫。でもこの先は…と不安な胸の内を打ち明けてくれました。
そうですよね。この先必ず旅立ちの時が来ます。
それは毎日の延長線上にあって、いつか訪れます。
最初は少しずつ食べる量が減ります。そして少しずつ飲める量も減っていきます。
起きている時間やお話しできる時間も少しずつ減っていきます。
それは誰にも止める事が出来ない事です。無理に食べさせると時には体が拒絶し、吐いたりすることもあります。 ご本人様を苦しめる事になります。
ご本人様は、寝ている間に夢を見たりしていると言われています。
奥さまの声を夢うつつに聞いているとも言われています。
意識がないようでも、最期まで聴覚や触覚はあると言われています。
声掛けやお手当て(スキンシップ)を心がけると安眠できるそうです。
病気などによりいろいろですが、一般的には眠りにつくように静かに逝ってしまう事がほとんどです。
そうですか。安心しました。奥さまはそう言ってご主人を愛おしそうに見つめていました。
2014年09月10日
肺がん末期と宣告された彼の決断したことは、
「最期まで普通の生活がしたい」でした。
一般的には癌が発見されると、抗がん剤などの治療が始まります。
その生活は一変し「癌を治療するための生活」が始まります。
通院したり入院したりしながら、癌や抗がん剤の副作用と闘う毎日を過ごします。
でも彼は一切の治療を拒否し、今まで通りの生活をつづけました。
そして、治療を拒否し続けて2年。
徐々に寝る時間が増え、徐々に食べれなくなりました。
いよいよ最期の時が近づいてきたのかもしれないと言う事で、訪問診療を依頼しました。
食事は摂れなくなっても、最期まで大好きなビールを飲みました。
幸い痛みもなく苦しむこともなく静かで穏やかな最期の時間を過ごせました。
ある日「私もあと2日で死ぬ。」と言い、会いたい人を呼び寄せてお別れをしました。
そして予告した通りではなかったのですが、4日目に他界されました。
したい事を最後まで貫いた生き方は何よりも素晴らしいと実感しました。
市川市にある上田医院では、在宅でのお看取りのお手伝いをしております。
ケアマネ(ヘルパーを頼んだり)や看護師やリハビリなど幅広い角度から支えていけるよう体制を作っております。
2014年03月06日
先日、デイサービスで初のお看取りをしました。
ご自宅で老夫婦でなんとかお互いに協力しながらやっていました。
しかし、いよいよご主人が歩けなくなり、食べれなくなり、奥さまも介護する体力の限界を感じて、往診医である院長に相談がありました。
入院しても治療が必要なわけではない、施設に入るには時間が短すぎる、ということから、デイサービスに宿泊したらどうかという提案がなされました。
デイサービスでの生活が始まりました。朝送迎車に乗って利用者さんが来て賑やかになります。デイサービススタッフの面白おかしい会話が聞こえてきます。お風呂などばたばたした雑音とともにそこでの大笑いや最近デイサービスで流行っている「ソーラン節」の歌声などの賑やかな生活音を聞きながら過ごしました。
1週間ほどデイサービスで過ごした先日、すっと息を引き取りました。その時も隣の部屋から「ソーラン節」の歌声が賑やかに聞こえていました。きっとご主人も一緒に鼻歌を歌いながら旅立ったのではないでしょうか。とても良いお顔でした。ご冥福をお祈りしております。
※在宅支援診療所の上田医院では、病室での死ではなく日常に近いお看取りをお手伝いしております。看取る自信がない、家で看取りたい、退院させたい、などご相談ください。
2013年12月25日
八心会では毎月数名の自宅での看取りをしています。
看取りの数だけ、感動の話があります。
死を受け入れると、恐怖もなくなるようです。お迎えの時がわかるようで、その時を静かにおだやかに待っているように見えます。
この方は、お気に入りの服に着替えて、お気に入りの腕時計をしました。孫を呼んで、「おばあちゃんはもう逝くからね。ありがとうね」とお別れの挨拶をしました。
旅立ちは必ずしも悲しいものではなく、感謝と幸せに満ち、人生やりとげた満足感と、先に逝って待っている親や伴侶に会いに行くためのものに見えます。
残される家族は、「淋しい。逝かないで」と泣くのをがまんして、「ありがとう。良い人生だったね」と称えることが出来たら、ご本人様も安心して旅立てるのではないでしょうか。
2013年08月30日
93歳の父が、最近急に食べなくなり歩けなくなってきました。と心配した家族から当院に往診の相談がありました。
急いで往診しましたが異常は見当たりません。そこで「老衰ですね。このままお家で最期の時を待ちましょう」とお話ししました。
とても素敵な方でした。孫にも子供たちにも慕われていました。孫が小さいころ、誰がおじいちゃんの隣で寝るか、喧嘩になっていたそうです。そして、おじいちゃんが最期だと知り、また孫たちはおじいちゃんの隣で順番に寝たそうです。
往診の依頼から10日目の朝も、孫2人にかかえられてトイレに行けました。そしてその夜静かに召されました。とても幸せそうに見えました。
ご冥福をお祈りいたします。
※ご自宅で最期を看取る場合は、必ず主治医(往診医)が必要です。主治医がいないと、事件性がないか遺体解剖をしたり、保険金やありばいなど警察から事情聴取されることがあります。
<看護師求人のお知らせ>自宅看取りに共感できる看護師さん募集しております
2013年02月05日
市川市で在宅で過ごしているガン末期の方をたくさん診させていただいています。
先日、乳がんの末期の患者様がご自宅で他界されました。
一人暮らしの生保50代独身女性の方でした。一般的には、乳がん末期と診断されると、激しく落ち込み、私たちは精神的ケアに一番時間を使うのですが、この方は幸い精神疾患もあり、癌であることも病院に行くことも薬を飲むこともすぐ忘れてしまうのです。そして朝からお友達を呼んでお酒を飲んで楽しくやっているような方でした。電話もないので約束の時間に訪問したらいなかったりと、いろいろ困らせてもくれました。(笑)
だからだと思います。医者から宣告された余命も関係なく生き、泣くこともなくおもしろおかしく周りをなごませ、改めて気持ち次第ではこんな癌末期の生活も可能なんだなと「気持ちと身体」の関係を考えさせられました。そしてある日、訪問したら息をしていませんでした。
5年近く訪問していたので、淋しくなりますが、思い出すと心が温かくなるような、そんな生き様を見せてくれました。ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。
2012年12月23日
市川市にある上田医院(在宅支援診療所)では、在宅でのかなりたくさんの看取りをしながら、
寿命について考えています。
年をとると、しわが増える。腰が曲がる。耳が遠くなる。眼が悪くなる。すたすた歩けなくなる。よたよたする。おもらしするようになる。物の名前が出てこなくなる。物忘れが激しくなる。あっちが調子悪い。こっちも調子悪い。
どこが悪いんだろう?不安になって検査にいく。病気なら治るはず!また前みたいに戻るはず!寿命が来る最期の瞬間まで元気で歩きたい!今は医学も進歩しているから、必ずいい方法があるはず!
でも私は、言い方は悪いけど、少しずついろんなところがオンボロになって、最後に、寿命が来るんではないかと思っています。
そうやって少しずつ衰えていく自分を認め、許容し、慈しみ、労わる。衰えていく自分を否定したり抵抗しないで、そんな身体とうまく共存しながら、ありのままの自分の身体、今まで頑張って動いていてくれた身体を自愛してあげて欲しいなと思います。